レポート2017.04.23首里劇場は三ツ星劇場のお墨付き?!『琉球シネマパラダイス』舞台挨拶
4月23日(日)、那覇市のよしもと沖縄花月で『琉球シネマパラダイス』の舞台挨拶が行われ、長谷川亮監督、沖縄映画研究家の世良利和さん、音楽ユニットのHarukaze東風(はるかぜ)さんが登壇しました。
満員の客席を見た監督が、「知り合いしか来ないと思っていたのに、こんなにたくさんの方が来てくださってとても驚いています!」と客席の奥の方まで眺めながら感慨深げ。ライターでもある監督は、2012年の沖縄国際映画祭に映画ライターとして参加したといい、去年の映画祭も今回のこの会場で観客としてウディ・アレンの作品を見たとのこと。「同じ場所で今年は自分が舞台挨拶をし、レッドカーペットまで歩くことができた。この作品のおかげで取材する側からされる側になったのはとても不思議な気分です」と、現在の心境を語りました。
沖縄映画研究家の世良さんは、毎月沖縄へ来るたびに必ず作品の舞台である首里劇場に行くそうで、この挨拶の前にも行ってきたとのこと。満席の観客に向かって「皆さん、行かないともったいないです!」と力強く断言すると、「個人経営で営業していて、創業当時のそのままの状態の劇場を運営しているのは、全国でも首里劇場くらい。成人映画専門の劇場ですが、建物と名物館長の金城さんに会わないのはもったいない!」と力説します。
また、作品に英語の字幕が付いていることについて監督は、「今後、もしかしたら海外の映画祭でかけてもらえる機会があるかもしれない、と思ったからです。もしかしたら、海外の映画好きの皆さんの目に留まって、その方々が沖縄まで、首里劇場に金城館長に会いに来て下さるかもしれない。そうなったら本当に嬉しいなと思います」と大きな展望を語りました。
音楽ユニットHarukaze東風の2人は、作品のテーマソング「生活」を提供するにあたり、作品の内容とこの曲が合うか不安だったそう。出来上がった作品を観て、タイトルや曲の雰囲気にたがわない“生活”がにじみ出ていて安心したと話し、この日は特別に、テーマソングである「生活」の生演奏を披露。バックに映し出される首里劇場と金城館長の姿と曲が相まって、会場が何ともいえない温かい雰囲気に包まれました。
最後に監督が、「ミシュランガイドの三ツ星は“わざわざ訪れる価値のある卓越した味”とされており、首里劇場もまさしくそんな、わざわざ行きたいと思わせる場所、会いに行きたいと思わせる人であり、来てよかったと思える劇場です。この作品を見て、少しでも行ってみようと思ってくださる方がいれば本望です」とその魅力を語り、満席の観客から割れんばかりの拍手の中、舞台挨拶が終了しました。